株主総会とは?会社法における位置づけを中小企業診断士が解説します。

 毎年6月頃になると、新聞やテレビで株主総会に関連するニュースを見る機会が増えてきます。しかし、その仕組みや詳しい内容をご存知ではない方も多いのではないでしょうか。この記事では、そもそも株主総会とはどういったものなのかをシンプルに解説します。

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株主総会とは?

会社法第295条(株主総会の権限)
1. 株主総会は、この法律に規定する事項及び株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項について決議をすることができる。
2. 前項の規定にかかわらず、取締役会設置会社においては、株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。

 株主総会とは、ヒトコトで言うと、株式会社の最高意思決定機関です。「最高」とされているのは、他にも取締役会や監査役会といった意思決定機関があるからです。株主総会は会社の最重要議題の決議に集中し、通常の業務執行については、取締役会が担うのが一般的です。

株主総会の決議事項

 株主総会では、企業経営上極めて重要な意思決定がなされます。決議事項によって、普通決議と特別決議、特殊決議と3種類の決議があります。一般的な普通決議の内容としては以下の例があげられます。

< 株主総会の決議事項の例 >

・役員(取締役、監査役等)の選解任
・計算書類の承認
・自己株式の取得

・資本金の額の増加
・準備金の額の増減

・剰余金の処分、配当
 など

株主総会の出席者と定足数

会社法第309条(株主総会の決議)
 株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権数の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う」

 株主総会には、会社の実質的な所有者である株主が出席します。会社法には定足数も定められています。原則として、議決権数の過半を超える出席者が必要とされています。

株主総会の開催時期

会社法第296条(株主総会の招集)
 定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。

 株主総会には、定時株主総会と臨時株主総会の2種類があります。このうち定時株主総会については、毎事業年度終了後一定の時期に開催することが定められています。会社法には具体的な時期は明記されていませんが、一般に決算日から3ヶ月後以内に開催されるケースが大半です。

株主総会の招集通知

会社法第299条(株主総会の招集通知)
 株主総会を招集するには、取締役は、株主総会の日の二週間(前条第1項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、一週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、株主に対してその通知を発しなければならない。

 株主総会は、開催日の少なくとも2週間前までに株主へ通知しなければなりません。招集通知は、取締役の名義で発します。実務的には、代表取締役の名義で行われるケースが大半です。書面はもちろん、電子メールによる通知も可能です。

まとめ

 以上が株主総会の基本です。株主総会は、会社の最高意思決定機関として、最重要事項を決議します。決算日から3ヶ月以内に開催されるケースが多く、日本の上場企業の決算は3月末に集中しているので、毎年6月頃に株主総会関連のニュースが増えるのです。

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