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中小企業診断士試験とは?独学一発合格者がお伝えします。

 キャリアアップを目指すビジネスパーソンなら、資格取得を考えたことが一度や二度はあるのではないでしょうか。「ビジネスパーソンが新たに取得したい資格ランキング第1位」の資格が中小企業診断士です。中小企業診断士は、経営コンサルタントを認定する唯一の国家資格として、キャリアアップだけではなく、「転職・就職」や「独立開業」にも役立ちます。

 

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そもそも中小企業診断士試験とは?

 中小企業診断士になるまでには、大きく分けて3つのステップがあります。一次試験、二次試験と実務補習の3つです。一次試験、二次試験にそれぞれ合格した後は、基本的に15日間の実務補習を受けることになります。実務補習終了後に、晴れて中小企業診断士として登録を申請することができるようになります。

 

一次試験の詳細

受験資格

なし

申込期間

4月下旬~5月下旬

試験日程

8月上旬の連続する土日2日間

試験範囲

科目名目的
経済学・経済政策マクロ経済指標やミクロ経済学の知識を経営上の意思決定に活かす
財務・会計財務諸表を元にした経営分析による企業の現状把握、課題の抽出
企業経営理論分析フレームワークを習得し、ビジネスモデルや経営戦略の理解を促進
運営管理工場や店舗における効率的なオペレーションに関する理論を習得すること
経営法務事業者に助言を行う際に必要な法律、諸制度等の実務的な知識を身につける
経営情報システム情報システムを経営戦略と結びつけ、効果的に活用する為の助言をできるようにすること
中小企業経営・中小企業政策中小企業経営の特徴を踏まえて、経営分析や経営戦略策定のスキルを習得

合格基準

全体合格基準は、免除科目を除く全科目を受験し、総点数の60%以上であって、かつ1科目でも
  満点の40%未満のないことを基準とし、試験委員会が相当と認めた得点比率とする。
科目合格基準は、満点の60%を基準として、試験委員会が相当と認めた得点比率とする。

 ざっくり言うと、各科目100点満点で採点し、40%未満で足切り、全体の60%以上の得点で合格できる。具体的には各科目40点以上を確保し、全体で700点満点×60% = 420点が合格ライン。科目足切りにあった場合でも、個別科目で60%以上の得点の獲得すれば科目合格になる仕組み。科目合格は3年間に渡って有効。

二次試験の詳細

受験資格

1次試験合格者

試験日程

10月中旬〜下旬

試験範囲

科目内容目的
事例Ⅰ組織・人事組織(人事を含む)を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
事例Ⅱマーケティング・流通マーケティング・流通を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
事例Ⅲ生産・技術生産・技術を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
事例Ⅳ財務・会計財務・会計を中心とした経営の戦略および管理に関する事例

合格基準

・総点数が満点の60%以上で、1科目でも満点の40%未満がなければ合格

 ざっくり説明すると、一次試験同様に全4科目のうち1科目でも40%未満の得点があると足切りになります。各科目40%以上を確保した上で、全体の60%以上の得点を獲得することが合格の目安になります。

 10月の二次試験(筆記)に合格すると12月に口述試験がありますが、口述試験はほぼ全員が合格する通過儀礼のような位置づけです。不安な方は、予備校の模擬試験を受けるのが良いでしょう。

実務補習

 一番スムーズなのは、全国7カ所(札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡)で開催される実務補習を受講することです。1クール5日間の経営診断実務を3回行い、合計15日間の実務補習を終えると、晴れて中小企業診断士として登録することができます。

 

まとめ

 中小企業診断士試験は、一次試験だけで7科目あり、その試験範囲は膨大です。全体の合格率は4~5%程度で、必要な勉強時間は1,000時間とも言われます。その分、合格した後には専門家としての幅広い知識が身に付きます。転職・就職はもちろん独立にもつながる可能性のある資格試験なので、挑戦する価値は十二分にあります。

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