【最新版】ドラッグストアの食品売上構成比(食品比率)ランキング

2019年最新のドラッグストア各社の食品売上構成比(食品比率)のランキングをまとめました。直近3年間の推移を見ると、コスモス薬品やGenky Drugstoresが強さを見せる一方で、ツルハホールディングスが急速に食品を強化しているなど、各社の取り組みが数字に表れています。売上構成比ベース、売上金額ベースの食品ランキングを紹介します。

Advertisement

ドラッグストア食品構成比率ランキングと推移

順位 企業名 2017年 2018年 2019年
1位 Genky Drugstores株式会社 55.8% 58.7% 61.2%
2位 株式会社コスモス薬品 55.6% 56.2% 56.3%
3位 株式会社カワチ薬品 46.3% 46.3% 46.2%
4位 株式会社薬王堂 46.4% 47.6% 41.9%
5位 株式会社クリエイトSDホールディングス 38.9% 39.4% 39.7%
6位 サツドラホールディングス株式会社 34.7% 34.3% 34.9%
7位 株式会社ツルハホールディングス 16.5% 17.6% 22.3%
8位 ウエルシアホールディングス株式会社 21.2% 21.7% 22.2%
9位 株式会社ココカラファイン 13.9% 14.0% 14.2%
10位 スギホールディングス株式会社 12.5% 12.9%
11位 株式会社マツモトキヨシホールディングス 10.3% 9.7% 9.4%

(出典)各社の有価証券報告書、IR資料をもとに作成

全店に生鮮売場を導入したゲンキー

東海地区を中心に261店舗を展開するGenky Drugstoresの食品比率は脅威の60%超です。同社は「フード&ドラッグ」をコンセプトに、ドラッグストア「ゲンキー」を展開しています。2017年より生鮮品の取り扱いを開始し、現在では全店に生鮮導入が完了しています。同社のIR資料によると、生鮮品の導入により客数、客単価ともに上昇しているとのことです。

フード&ドラッグの草分け的存在のコスモス薬品

同じく高い食品比率を誇るのがコスモス薬品です。同社のフード比率は56.3%と出色の高さです。コスモス薬品は「小商圏型のメガドラッグストア」を標榜し、人口1万人の小商圏に売り場面積600坪の大型ドラッグストアを展開しています。商圏の狭さをカバーする為、同社では食品を強化し、顧客の来店頻度を高める戦略をとっています。

食品売場を急速に強化しているツルハホールディングス

その他で食品比率の伸び率が高いのがツルハホールディングスです。同社は2017年より食品の強化を目的に売場改装を推進してきました。その結果、過去3年間でフード比率は16.5%から22.3%まで著しく成長しています。現在では、ホールディングス傘下の企業で精肉、青果の取り扱いを開始するなど、食品の取り組み深耕を進めています。

ドラッグストアの食品売上高ランキング

順位 企業名 2017年 2018年 2019年 前年比
1位 コスモス薬品 279,674 313,470 343,809 +9.7%
2位 ツルハHD 95,105 132,327 174,698 +32.0%
3位 ウエルシアHD 132,186 151,099 172,971 +14.5%
4位 カワチ薬品 123,388 124,060 122,478 -1.3%
5位 クリエイトSDHD 95,528 104,819 112,939 +7.7%
6位 スギHD 109,648
7位 クスリのアオキHD 99,294
8位 Genky DrugStores 46,574 55,681 63,635 +14.3%
9位 マツモトキヨシHD 53,160 51,936 51,820 -0.2%
10位 ココカラファイン 36,772 38,370 39,615 +3.2%

(出典)各社の有価証券報告書、IR資料を基に作成、単位: 百万円

金額ベースでは業界トップ3が上位を独占

金額ベースの食品売上高では、ドラッグストア業界トップ3が上位を占める結果になりました。特筆すべきは、コスモス薬品の売上高の高さです。2位のツルハホールディングスにほぼダブルスコアをつけて、食品売上高トップの地位を確立しています。

M&Aで売上高を大きく伸ばすツルハHD

一方で、ツルハホールディングスが売上金額ベースで前年比32%増加と大きく成長しています。同社は積極的なM&A戦略で知られ、2019年5月15日時点でバランスシート上の「のれん」の残高が357億円と極めて高い数値になっています。M&Aにより売上高が急成長している為、食品の売上金額も伸長していると考えられます。

スーパーから食品をラインロビング

ラインロビング」と呼ばれる手法で食品スーパーから顧客を奪ってきたドラッグストア業界。現在、ドラッグストアの市場規模は7兆2,744億円と急速に拡大していますが、その象徴の一つが食品比率の高まりにあると言えます。

その他の関連記事はこちら

関連記事

ドラッグストアの市場規模が7兆円を突破し、総店舗数が2万店を超える中で、各社薬剤師の確保が成長のネックになりつつあります。日本経済新聞によれば、2018年の薬剤師の有効求人倍率は5.22倍となっており、人手不足が続いています。(出典:日本経[…]

関連記事

ドラッグストア業界の市場規模は、2018年に7兆2,744億円に達しました。過去10年間で約2兆円を上積みするペースで急成長を遂げ、10兆円のコンビニ市場を視野に入れるようになっています。ここでは各社の有価証券報告書を元に、営業利益率ランキ[…]

関連記事

 小売・流通業の中で最も成長しているドラッグストア業界。いまやその市場規模は7兆2,744億円に達しています。2016年には、ドラッグストア業界の売上高が百貨店業界の売上高を上回ったことがニュースになりました。 関連記事:ドラッグストア、百[…]

Advertisement